冬はできるだけ冷たい空気を吸いたくないので、家に引きこもって本を読む時間が増えてしまう。
さりとて、筋を追わないといけない本や、専門性の高い本がしんどい時もよくあるんだな。
そういう時は辞書を読むに限る、とトミーは思うのである。
辞書サーフィン
諸君は辞書を読み物として読んだことがあるかね? ないかね? え?辞書は言葉の意味を調べるもんじゃないのかって?
そう、しかし言葉の意味を調べるだけなら、スマホでグーグル先生に訊けば事足りるではないか。
まあ何辞典でもいいのだが、国語辞典など適当にパラパラめくって目に止まった言葉の意味や用法を読んでいるとなかなか楽しいし、なにやら賢くなったようだぞ、と愚かしい錯覚も味わえる。
このようにネットサーフィンならぬ、辞書サーフィンを娯楽とするような奇人・変人の間で特に人気が高い国語辞典がある。
それが新明解国語辞典である。
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この辞書、たまに意味や用法に編纂者の個人的感覚や世相批判などが盛り込まれているのである。
例えば、「動物園」という語を調べてみると。
生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。
なんと主義主張の強い定義であろうか。個人的見解が丸出しじゃないか。
終助詞としての「たら」は
[女性が]婉曲に「・・・したらどうか」と命令したり勧告したりすることを表す。
「ぐずぐずしないで、さっさとやったら」
「ひまなら、あなたも少し手伝ったら」
「興味がおありなら、なさってみたら」
女性に限定している・・・なにやら編纂者の家庭での光景が見えてくるようで、もの哀しささえ漂う定義である。
はまぐり
遠浅の海にすむ二枚貝の一種。食べる貝として、最も普通で、おいしい。殻はなめらか。
最も普通かなあ?
おいしい・・・ああ、はまぐりはおいしい・・・否定はしないよ。
マンション
スラムの感じが比較的少ないように作った、鉄筋のアパート式高層住宅。
いや・・・別にスラムにならないように意識して設計・建築してるわけじゃないと思うけど・・・
とまあこんな感じだ。
新明解国語辞典は現在第7版まで出版されているが、第4版が一番いいので中古でもいいから第4版の購入をオススメする。
冬はコタツで辞書サーフィンである。
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