勤務時間中の喫煙に関してはネット上でも論争が起こりやすいテーマである。
こういう論争を見て思うのは、くだらない事に怒る人が多いもんだということと、時間的に長く働くヤツがエライという古臭い思想が当たり前のように支配しているんだな、ということである。
非喫煙者の主張
タバコを吸わない、非喫煙者の主張もいろいろあるが、結局は
喫煙者だけタバコ休憩を取ってズルい
ということに尽きるようである。
この主張は半分は正しくて、半分は間違っている。
というのは、
喫煙=休憩
という図式が必ず成り立つ業種や職種ばかりではないということだ。
持ち場を離れては業務にならない接客業やコールセンター業務、手や体を動かすことが即生産性、結果に直結するような製造業などは、タバコを吸っている間は仕事をしていない休憩時間とみなされても反論は難しいだろう。
それに対し企画、デザイナー、プログラム開発、物書きなどは自分の机や持ち場にずっといる事が必ずしも成果には直結しない。
脳内作業の割合も多いので、机を離れてタバコを吸っていようが仕事はできるのである。
ただ外から脳内は見えないので、休憩と区別はつかない。
逆にずっと机や持ち場にいるだけで、仕事もせずにぼーっとしている人間や、今日の夕飯のことなどを考えている人間は業務を離れていることになるので、持ち場にいさえすれば仕事をしている、ということにもならない。
喫煙者の主張
一方喫煙者の主張である
タバコを吸うと集中できる
これは非喫煙者の執拗な弾圧に対して何かしらの理由をつけないといけない、というほとんど悲鳴に近いウソである。
タバコを吸わないと集中できない、などということはありえない。
ニコチンの特殊作用によって及ぼされる緊張・擬似ストレス状態を緩和したいだけである。
そのニコチンの作用についてはこちらの記事を参照
またPC作業者などはこまめに遠くを見る「遠望し」をしたり「ストレッチ」をすることは推奨されることだが、これもストレッチ休憩などと言ってしまうのか?
と若干屁理屈に聞こえなくもないが、喫煙者も逆襲に出るのである。
組織ごとに解決を
このような論争はどちらかの主張だけを通そうとしても無理があるので、各企業、組織ごとに解決するしかない。
うちでは非喫煙者の多くの主張にあるように、お昼ごはんの休憩以外に「15分の小休憩」が全員に設けられ、いつどのような理由で取ってもいいという規定ができた。
実際にいつ誰が何分小休憩を取ったかなど厳密に管理はしていないが、これはいわば精神衛生上のための規定だと思っている。
これで、喫煙者だけ・・・という非喫煙者の不満は解消されるはずである。
もちろん業種によっては、お昼の休憩時間しか吸えない、という規定にせざるを得ない場合も多いだろう。
仕事のあり方
「非喫煙者にもコーヒー休憩、おやつ休憩くださいよ。」
などとネットに書き込んでいても職場環境は変わらないので、そんな暇があれば会社に働きかけるか、不満であれば職場を変わればいい。
技術は優れていても、このようなシステムを発想すること自体が前時代的だ。
それを払拭できない限り、ブラック企業などなくならないのではないだろうか?
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